
この色の由来・歴史
百合(ゆり)は、夏の季節にふさわしい色合いとして、襲(かさね)の色目において特に重要な位置を占めています。この配色は、表に「赤」、裏に「朽葉(くちば)」を用いることで、力強さと落ち着きを同時に表現しています。赤は百合の花が持つ鮮やかさを象徴し、その華やかさは夏の明るい日差しを受けて、一層引き立ちます。
一方で、裏の朽葉は、自然の中での成熟や移ろいを感じさせる色です。夏の終わりを迎える頃、葉が徐々に色づき、朽ちていく様子を連想させます。この色の組み合わせは、平安時代の貴族たちが着物の襲の色目に工夫を凝らし、季節の移ろいを敏感に感じ取っていたことを示しています。
百合の色合いは、夏の風に揺れる花の姿や、青空の下で咲くその美しさを思い起こさせ、見る人に清涼感をもたらします。こうした情景描写を通じて、襲の色目が持つ深い意味と美しさを感じ取ることができるのです。

