菫色 (sumireiro)

この色の由来・歴史

菫色（すみれいろ）は、日本の伝統色の一つで、紫色の一種である。この色名は、スミレの花に由来し、特にその花の淡い紫色を指す。スミレは古くから日本の文学や絵画に登場し、春の訪れを象徴する花とされてきた。

歴史的には、平安時代の詩歌や和歌において、スミレは愛や別れの象徴として用いられ、情緒豊かな表現がなされている。また、江戸時代には、染料としての利用が広まり、着物や工芸品においてもこの色が好まれた。菫色は、優雅さや静けさを表現する色として、日本文化に深く根付いている。