
この色の由来・歴史
「襲(かさね)の色目」の一つに「蘇芳」があります。この色は、深い紅色を持ち、平安時代の貴族文化において特に好まれました。蘇芳は、植物から染料を得る過程で生まれる色で、その名は、蘇芳木という樹木に由来しています。この木の樹皮を煮出すことで得られる染料は、鮮やかでありながらも深みのある色合いが特徴です。
「蘇芳」は、通年の祝いの色として使われ、特に着物の襲(かさね)においては、表地に「蘇芳」、裏地に「白」を合わせることで、華やかさと清潔感を両立させています。この配色は、平安文学の中でもしばしば描かれ、当時の人々の美意識を反映しています。特に、優雅な場面や祭りの際に、この組み合わせが用いられ、見る者に喜びや祝福の感情を与えました。
このように、蘇芳の色は平安時代の文化や着物の美しさを深く象徴しています。色の選び方や組み合わせに込められた意味は、当時の人々の感受性や季節感を感じさせる重要な要素となっています。

